こんにちは、ただほんです。
今日は、今村昌弘さんのデビュー作、「屍人荘(しじんそう)の殺人」について、お話しましょう!
はじめに
この「屍人荘の殺人」は、小説が出たとき内容を知らなかったので興味があったのですが、
実写版の映画『屍人荘の殺人』を見た人から、「ゾンビものだった」と聞いて、いやいやそれは違うなって思ってしまいました。
ミステリー小説を好きで読んでたので、ゾンビものはB級な感じがしてしまいました(今村先生、すみません!)。
それから数年経って、二作目、三作目と出版されて、本屋に並んでるのを見たら、ふっと読んでみたくなりました。
そして、とうとう買って読むことにしました。
読み始めると、「やっぱりゾンビものじゃん!」とびっくり。
ゾンビものじゃん!が、次第に読み進めて行くと、「ミステリーじゃん!」と変わっていきました。
第2弾「魔眼の匣の殺人」や、第3弾「兇人邸の殺人」も特殊設定ミステリで必見です!
さて、内容に入っていきたいと思います。
「屍人荘の殺人」あらすじは?
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と明智恭介は、曰くつきの映研の夏合宿に参加するため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子とペンション紫湛荘を訪れる。しかし想像だにしなかった事態に見舞われ、一同は籠城を余儀なくされた。緊張とこんらんの夜が明け、部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。それは連続殺人の幕開けだった!奇想と謎解きの脅威の融合。衝撃のデビュー作!
本の裏表紙より
「屍人荘の殺人」登場人物たち
- 葉村譲…神紅大学ミステリ愛好会会員。主人公。ワトソン?
- 明智恭介…神紅大学ミステリ愛好会会長。探偵?
- 剣崎比留子…探偵少女。
- 進藤歩…神紅大学映画研究部部長。
- 星川麗花…神紅大学演劇部部員。進藤の恋人。
- 名張純江…神紅大学演劇部部員。神経質な性格。
- 高木凛…神紅大学映研部員。姉御肌。
- 静原美冬…神紅大学映研部員大人しい性格。
- 下松孝子…神紅大学映研部員。明るくしたたか。
- 重元充…神紅大学映研部員。特殊な映画のマニア。
- 七宮兼光…神紅大学OB。紫湛荘(しじんそう)オーナーの息子。
- 出目飛雄…七宮の友人。
- 立浪波流也…七宮の友人。
- 菅野唯人…紫湛荘の管理人。
「屍人荘の殺人」見どころは?
1番すごいのは、クローズドサークルの作り方です。
普通は孤島だったり、山奥の別荘であったり、他の人が行き帰できない状況を作ると思うのですが、
『屍人荘の殺人』ではそのクローズドサークルをゾンビによって作り出しています。
そこが斬新(ざんしん)であり、新鮮(しんせん)でした。
どうしたら、ゾンビでクローズドサークルを作ろうなんて考えられるんだろう?
そこが面白いです。
ゾンビに追いやられた登場人物たちが逃げ込んだ別荘、そこで連続殺人事件が起こります。
まさかその状況で殺人事件が起こるなんて誰も考えないでしょう。
そして、ゾンビを気にしながら、探偵とその助手は犯人を見つけていきます。
次に見どころとしては、助手の葉村君と探偵の明智さんですが、良いコンビでしたが、早々と探偵の明智君がゾンビにやられ死んでしまいます。
メインの探偵ではないのか!ってびっくり。
明智さんのキャラクターもなかなか好きでした。
葉村君が明智さんのことをこう言っています。
だがあながち馬鹿にできないのは、彼が実際に学内から寄せられた事件のいくつかを解決した実績があるからだ。俺の入学以降だけでも宗教学試験問題漏洩事件(仮称)や中央グラウンド掘削事件(仮称)などに関わったが、いざ事件になるとこの人は鋭い閃きを発揮するーことがある。発揮しないこともある。
本文、葉村くんの言葉より
発揮することもあり、発揮しないこともあるって、面白くないですか?
明智さんはすぐに事件に顔を突っ込みたくなります。
それを止めるストッパーが葉村君でした。
しかし、明智さんは早々とリタイヤしてしまいます。
ただそこから名探偵の剣崎非留子とのコンビが始まり、事件を解決していきます。
3つ目の見どころは、殺人事件をどのように解決し、生き残った登場人物たちがどのように助かるのか、です。
ただほんの書評
そういえば、ゾンビものの映画やドラマ好きでした。
本書にも出てきますが、「バイオハザード」や「ウォーキングデッド」ははじめから見ています。あと、日テレ系の竹内涼真主演の「君と世界が終わる日に」も見てました。
とにかく面白くて好きでした。
ゾンビものというより、人間模様が描かれていたドラマばかりでした。
人と人の争いが凄まじかったです!
なので実はゾンビもの好きでしたね。
ということは、ゾンビものでミステリとは最高じゃないですか!?
ゾンビによるクローズドサークル!
ミステリとしても最高の物語でした!
やはり、ミステリ小説は異世界探訪ですね!
ぜひまだの人は読んでみてください。
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