こんにちは、ただほんです。
先日、映画「ロストケア」を見てきました!
はじめに
前からCMで見て興味あり、松山ケンイチさんと長澤まさみさん主演ということで、映画見てみたいと思っていました。
Twitterとかで見た人のtweetで、介護職の人のここがおかしかった、あそこがおかしかった、主演良かったなど、のコメントを見て、必ず見なければって思ったんです。
そして、ついに映画を見てきました!
とにかく、松山ケンイチさん、良いですね。「100万回言えばよかった」のドラマもそして昔の「DEATH NOTE」見ていて、松山ケンイチさん、素晴らしい俳優です。
一方、相手役の長澤まさみも良いですね!
長澤まさみさんといえば、「コンフィデンスマンJP」ですね。面白かったー!
この二人のやり合いが凄いです。
映画は内容が詰まり過ぎでいるように思えて、小説を読むことによって理解できることが多々ありました。
Twitterでの介護職の人の疑問も、小説を読むと分かってきます。
映画だとどうしても難しいところがあって、変更したんだと思います。
その辺の映画と小説の違いなども書いていきます。
ロストケア
ロストケアとは、葉真中顕(はまなかあき)さんのミステリー・サスペンス小説。本当の救いとは何なのか?介護殺人という重いテーマを題材にした衝撃の小説です。
あらすじ
ロスト·ケア 葉真中顕
戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官·大友の耳の奥に響く痛ましい叫び—悔い改めろ!
介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味……。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る!全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
本の裏表紙より
登場人物
- 大友秀樹(おおともひでき)…検事。父親が『フォレスト·ガーデン』という高級な介護付き有料老人ホームに住んでいる。映画では長澤まさみか演じていて女性に変更されている。
- 斯波宗典(しばむねのり)…『フォレスト』の社員。訪問入浴や訪問介護を担当している。いい介護士。映画では松山ケンイチ。
- 羽田洋子(はねだようこ)…認知症の母親を介護している。小さい息子の颯太と3人ぐらし。介護で地獄のような日々を暮らしている。
- 佐久間功一郎(さくまこういちろう)…『フォレスト』の営業部長で大友の高校時代からの友人。大友の父を『フォレスト·ガーデン』に紹介する。本当は大友のことが好きではない。
- 〈彼〉…認知症の高齢者を「処置」している人。小説ではその〈彼〉が誰だかは、最後の方まで明かされない。映画ではすぐ分かってるけど…。
だいたい、この5人の登場人物により物語は進んでいきます。日記のような書き方です。
映画と小説の違い
①訪問介護を3人で行っている。
これは、Twitterに上がっていたのですが、訪問介護は普通一人で行きます。3人も行くことなんてありません。
小説では、訪問入浴になっていました。ちゃんと訪問入浴の説明も書いていて、違和感なく読めました。
たぶん、映像化するとき難しかったんでしょう。
②新人介護士・窪田由紀(くぼたゆき)が介護をやめた理由
映画では、松山ケンイチ演じる斯波に恋心を抱いていて、その斯波が逮捕されてショックを受け辞めて、風俗に行ってしまった、となっていました。
小説では、介護の現実にやられてしまったようです。エロジジイに卑猥なことを言われ、キレてしまって…。
段々とやる気がなくなり、休みがちになり、辞めてしまいました。その後、風俗に行きます。
介護の現実にやられてしまう人は、やっぱりいますね。
本当に真面目で理想のある人なんかは、辞めてしまいやすいです。
現実は理想通りに行きませんから。
僕が介護を始める前に、ヘルパー2級を取りに行ったときに知り合った女性がいましたが、その人はすぐに資格を取り老人ホームで働き初めましたが、1ヶ月ほどで辞めることになりました。
理由は、すぐにリーダーにされてしまい耐えられなくなったのです。現実的にそういう施設はありますね。経験の浅い人でもすぐにリーダーとかにしてしまう。「介護を卒業します」って連絡が来ました。
③〈彼〉が訪問介護のセンター長、団啓司を殺してしまうシチェーション。
団が窃盗に入るのは同じなのですが、階段から突き落としたのではなく、家の外で暗闇の中突き飛ばした弾みで頭を打って…となってました。
あとで、〈彼〉はそれを後悔します。『ロスト・ケア』ではない殺人ですから。
著者・葉真中顕さんの言葉
きっと、救いはある。SOSを発信できる、受け取れる世の中になっていくこと。それが社会の希望だと、僕は信じています。
ジョブメドレーより
ただほんによる書評
そうだって思った箇所があります。
このとき僕は気づいたんです。たとえ年老いて身体機能が衰え自立できなくなっても、たとえ認知症で自我が引き裂かれても、人間は人間なのだと。ときに喜び、ときに悲しみ、幸福と不幸の間を行き来する人間なんだと。
本文より
認知症になってわけがわからなくなっても、内なる人は変わらないんだ!
どんな状態になっても人は人なんだ!その尊厳は守られるべきだ、ということ。
「尊厳死」というものがあります。死も、その人の尊厳の上に語られなければいけない。
「延命」は家族の立場としては理解できますし、自分も自分の家族がそういう状態になったらとにかく生きていてほしい、と思うかもしれません。
ただ、自分だったら嫌です。「延命」されたくはないです。
自然な状態が一番です。毒殺はだめですが。
〈彼〉がしたことは、賛成ではないですが、理解はできます。
〈彼〉が願っていたことは、42人(一人)も殺さなくて良い社会になることです。救いのある社会です。
「ヤングケアラー」などもありますから、社会が変わっていくこと、救いがある社会になっていくことを著者の人と同じく願っています。
とにかく、とても考えさせられる小説でした。
介護職の方は特に映画見たほうが良いですよ!
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