こんにちは、ただほん です。今日は小説好きにすすめる本当に面白い小説10選を紹介します。
①ホワイトアウト 真保裕一著
1,あらすじ
『ホワイトアウト』は、真保裕一さんによるサスペンス小説です。
日本最大の貯水量を誇る新潟県奥遠和ダムで、11月のある日、ダム運転員の富樫輝雄(とがしてるお)は、遭難者救助のために猛吹雪の中、出発するがホワイトアウトのために、同僚で親友の吉岡和志を亡くしてしまう。
2月に吉岡の婚約者であった平川千晶が、奥遠和ダムに訪れる。時を同じくして、テロリスト集団「赤い月」がダムを占拠した。
警察を通して、テログループは政府に「50億円」を要求、タイムリミットは24時間。
拒否すれば人質を殺害し、ダムを破壊すると通告する。
偶然テロリストから逃げおおせた主人公・富樫は、人質になっているダムの職員、そして人質にされた平川千晶を救おうとする。
武装も武器の知識もない中、雪の中数キロの移動を繰り返しながら、知り尽くしているダムの知識を駆使して、単身テロリストに戦いを挑んでいく!
2,感想
日本最大のダムを占拠したテロリストたちから人質を救うべく立ち上がった青年の活躍を描いた作品。
タイトルの「ホワイトアウト」とは、激しい吹雪により視界が奪われ、自分の位置がまったく分からなくなってしまうことを言います。
主人公・富樫は、自分を犠牲にしながらテロリストに立ち向かっていきます。
その姿はかっこいいです。
織田裕二主演で昔、映画化されていますが(映画も面白いですが…)、小説バージョンのほうがかなり面白いです!
凍傷になっても、吹雪の中でホワイトアウトにあっても、決して死なない最強主人公です!
②騙し絵の牙 塩田武士著
1,あらすじ
主人公は、「薰風社(くんぷうしゃ)」所属のカルチャー誌編集長を務める速水輝也(はやみてるや)。
笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男。
ある夜、上司から、担当する雑誌「トリニティ」の廃刊の可能性を匂わされたことをキッカケに、組織に翻弄されていく。
常に笑顔の速水だが、次第に別の顔が浮かび上がっていくが…。
2,感想
大泉洋をあてがきにした小説で、最初は速水は大泉洋にしか見えませんでした。
しかし、話が進んでくると大泉洋というより、速水輝也になってきて「あれ?誰が勝つの?」と内容に引き込まれていきます。
話が2転3転していき、最後に誰が一番得をするのか?そこが面白い作品です。
ちなみに映画も面白かったのですが、小説のほうが個人的には好きでした。(と言うことで、映画と小説は結末が違います!)
③罪の声 塩田武士著
1,あらすじ
京都でテーラーを営む曽根俊也(そねとしや)は、自宅で見つけたカセットテープを再生すると、幼い頃の自分の声が入っているのを聞く。
それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と全く同じだった。
一方、大日新聞の記者、阿久津英士(あくつえいじ)も、この未解決事件を追い始め…。
2,感想
この作品の面白いところは、現実にあった未解決事件の「グリコ・森永事件」をモデルとしている所です。
ちょうど、自分の年と重なり、「そうそうそんなことあった!」なんて思いました。
2つの視点から(曽根俊也パートと、阿久津英士パート)はじまり、それが次第に近づいていき、そして、交わっていきます。
映画も小栗旬さん、星野源さんダブル主演で映画化されています。
なかなか、読み応えある小説です。
④アマルフィ 真保裕一著
1,あらすじ
クリスマスが間近に迫ったイタリア・ローマで、1人の日本人少女が誘拐される。
法人保護担当特別領事として、外交官職員の黒田康作(くろだこうさく)は協力を申し出る。
黒田とは逆になるべく関わらずに済ませたい腰の重い日本大使館の職員、娘の危機に動転する母・紗栄子(さえこ)。
身代金の受け渡しの場所に犯人が指定してきたのは、ローマから遠く離れたアマルフィ。
だが、金の受け渡しは失敗に終わり、少女は戻らない。
紗栄子が掴んだ情報を元に、黒田は独自に調査を進めていく。
そして、犯人の真の狙いが明らかになっていく!
2,感想
この、「黒田康作」の小説は、3部作になっていますが、個人的には、この「アマルフィ」が1番面白いと思っています。
とにかく、黒田康作がかっこいいです。
母親・紗栄子は、子どものことを思い、はじめは黒田に協力的ではありませんでした。
しかし、黒田があきらめずに献身的に助けてくれるので、次第に一緒に戦うようになります。
最後に、子どもが助けられるとき、感動的でした。
これも、織田裕二さん主演で映画化されています。
⑤神様のカルテ0 夏川草介著
1,あらすじ
「神様のカルテ」のスピンオフ的な小説。
医師を目指す栗原一止たち医学生が暮らしている、有明寮でともに学んでいく中で、友情や恋愛模様から物語はスタートする。
医師を目指していく仲間とも別々の進路を歩むことになる葛藤や、医師として人間として成長していく過程が丁寧に描かれている。
2,感想
「神様のカルテ」のスピンオフ的な小説で、話ごとに主人公が違います。1話目は、進藤辰也。
2話目は、板垣源蔵(いたがきげんぞう)で、「24時間365日」の看板が設置されたときの物語です。
3話目は、主人公・栗原一止(くりはらいちと)です。研修医の時の話で、おもにがん患者とのやり取りです。
4話目は、主人公の細君になる片島榛名(かたしまはるな)の話です。結婚前なので片島が名字になっています。
ヒトは、一生のうちで一個の人生しか生きられない。
しかし本は、また別の人生があることを我々に教えてくれる。
たくさんの小説を読めばたくさんの人生を体験できる。
そうするとたくさんの人の気持ちも分かるようになる。
優しい人間になれる。
(本文より)
一止が初めて主治医になったがん患者の人との会話ですが、本を読むことって素晴らしいなぁって思いました!
⑥凍りのくじら 辻村深月著
1,あらすじ
藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。
高校生の理帆子(りほこ)は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。
戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。
そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な”道具”がわたしたちを照らすときー。
裏表紙より
2,感想
ドラえもんの道具の名前とかいろいろ出てくるのですが、それよりも気になったのは、主人公・理帆子のあだ名つけです。
「少し不思議な物語」のSF(すこし・ふしぎ)から取って、「少し不自由」とか、「少し不安」とか、面白いので普段の生活でも使ってしまいそうです。
お父さんがどうなったのか、理帆子は変われるのか?
結末は、「えっ」て思いました。ファンタジーです。
⑦螺鈿迷宮
1,あらすじ
東城大学医学部の学生である天馬大吉(てんまだいきち)は、複数の人物からの依頼で終末医療専門であるとともに、
黒いうわさが絶えない碧翠院桜宮病院(へきすいいんさくらみやびゅういん)にボランティアとして潜入することになる。
だが、潜入から半日で姫宮香織(ひめみやかおり)によって怪我を負い、ボランティアから入院患者になってしまう。
天馬は桜宮病院の医師たちや他の入院患者たちと関わるなかで、
あまりにも急速すぎる入院患者の死に対して桜宮病院に疑問を抱くようになる。
いったい桜宮病院では何が起こっているのか?
2,感想
この小説は、「チーム・バチスタの栄光」のスピンオフ的な小説ですが、そちらを見ていなくても全然面白く読めると思います。
とにかく、主人公・天馬が散々な目に合っていきますよ。
骨折し、頭を切り、やけどを負い(全部、姫宮さんにやられます!)、最後には命まで危うくなります。
病院の闇の部分を暴いていくミステリー小説です。
姫宮さんと白鳥さんが大活躍します!
⑧夏への扉 ロバート・A・ハインライン著
1,あらすじ
発明家のダン・デイヴィスは、信頼していた親友と恋人に裏切られ、
発明品も騙し取られ、薬を打たれて冷凍睡眠にかけられてしまいます。
30年後、目覚めたダンが見たものは、テクノロジーの進化と、驚くべき未来の真実でした。
ダンは、本当の幸せをつかむため、時間旅行に出かけます。
ダンは、本当の幸せをつかめるのか…
2,感想
1956年(今から約66年前)に書かれた小説には見えません。
冷凍睡眠とか、タイムマシーンとか、なかなかSF小説として先を行っていたなと思いました。
時間が立っても、楽しめる小説です。
ダンは、リッキィと幸せになれるのか、そのために未来に行ったり、過去に行ったりします。
猫のピートがどう役に立ったのか、見どころです。
⑨モリアーティ アンソニー・ホロヴィッツ著
1,あらすじ
「シャーロック・ホームズ」でともに滝に落ちて最後を迎えたモリアーティ教授は、本当に死んだのか?
ビンカートン探偵社のチェイスとスコットランドヤードのジョーンズ警部は、モリアーティ亡き後のアメリカの裏社会のドンをともに追うことに。
ラインバッハ川から上がった死体が隠し持っていた奇妙な紙を手がかりに、捜査が始まる!
2,感想
探偵のチェイスがワトスンのように、ジョーンズ警部はシャーロック・ホームズのように、二人はバディを組み、
モリアーティの謎に迫っていきます。
モリアーティは、死んだのか?はたまた、生きているのか?
どこで何をしているのか?
とにかく、面白いミステリーになっています。
あとあじが悪い内容になっていますが、面白いです。
⑩塩狩峠 三浦綾子著
1,あらすじ
明治末、北海道旭川の塩狩峠で、
自らの命を犠牲にして大勢の乗客の命を救った青年の愛と信仰に貫かれた生涯を描き、
人間存在の意味を問う長編小説。
結納のため、札幌に向かった鉄道職員、永野信夫(ながののぶお)の乗った列車が、塩狩峠の頂上にさしかかった時、
突然列車が離れ、暴走し始めた。
声もなく恐怖に怯える乗客たち。
信夫はハンドブレーキに手をかけたが…。
2,感想
20年前ぐらいに読みましたが、少しうる覚えです。
主人公はとても真面目な青年で、この事故の少し前にキリストを信じ、クリスチャンになりました。
キリストの犠牲と自分を重ね、とっさに自分の命を顧みずに、他の乗客を救いました。
三浦綾子さんは、人間を描くのがとてもうまく、人間の罪と救いを小説の中で表しています。
人の汚さ、でも、そんな人でも救いがあるんだ、ということが語られています。
まとめ
みなさんも色々な小説を読んでいると思います。
時間があれば、もっといっぱい読みたいのですが、なにせ、時間は限られているので…。
小説は、「異世界探訪」です。
別の世界(著者が考えた世界)にお邪魔して楽しませてもらえて幸せです!
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