" /> [書評]俺ではない炎上 浅倉秋成さん著書 | ただほんの本好きブログ

[書評]俺ではない炎上 浅倉秋成著 最上のミステリー小説

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tadano
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こんにちは、ただほん です。今日は5/22発売の浅倉秋成三著書の「俺ではない炎上」の書評をお送りいたします。

この小説を読むキッカケは、浅倉秋成さん前書『六人の嘘つきな大学生』を読んだからではなく(とても興味があり読みたいとは思っていますが)、

ただ、本屋で見かけた時に、題名「俺ではない炎上」というのと、そこに書かれていた

『ある日突然、SNSで「女子大生殺害犯」仕立てられた男、日本中が敵になり、必死の逃亡を続ける男が辿り着いた驚くべき真相は!?』

と言うのに「あり得そうで、面白そう!」と惹かれたからです。

表紙も傷があるようなデザインがかっこいい!し、逃避行ミステリーなのもワクワクします。

今日はいち早く、読んだ感想などを上げていきます。

「俺ではない炎上」あらすじ、など

登場人物

  1. 住吉初羽馬(すみよししょうま)大学生「血の海地獄」をTwitterでリツイートする
  2. 山縣泰介(やまがたたいすけ)主人公、50代、大帝ハウス部長、連続殺人犯に仕立て上げられる
  3. 山縣夏実(やまがたなつみ)泰介の娘、小5、事件に何か関係している?
  4. 山縣芙由子(やまがたふゆこ)泰介の妻、事件後取り乱す
  5. 堀健比古(ほりたけひこ)所轄の警察官
  6. 六浦(むつうら)捜査一課の捜査員、堀と一緒に捜査する
  7. サクラんぼさん?住吉初羽馬と事件を探る、誰だかわからない、カバンに包丁2本
  8. えばたん(江波戸琢哉、えばとたくや)小5、夏実と行動する

翡翠の雷霆(ひすいのらいてい)

物語に関係している少年漫画。主人公が熱い人物造形で人気を博していた。

「俺は俺の信念を貫く」という決め台詞あり。

そのピンバッジは「君は正義の人間だから、どんなことがあっても俺が君を肯定する」と主人公が認めた仲間にのみ配られる正義の印と言えるアイテム。

あらすじ

主人公・山縣泰介は、正しい日本語を気にする50代の大帝ハウスの部長。

妻と娘の3人ぐらしで、いい家に住み、出世も出来て順風満帆な人生を謳歌していた。

そんな彼が、ある日予想もしていなかった出来事に見舞われる。

自分名義のTwitterに

「血の海地獄。さすがに魚とかとは違う。臭いがだいぶキツい。食欲減退。しばらくはご飯は食べれないなこれは」

という書き込みをされる。

そこに写真が添付されていて、それが殺人の様子だったのだ。

そして続けて「石けんで手を洗ったんだが、全然まだ臭い。人間ってすごい」、

「文字どうりのゴミ掃除完了。一人目のときもちゃんと写真撮っとけばよかった。

『からにえなくさ』に持ってくかどうかはまだ考え中」との書き込みがあり。

Twitterで拡散され、またたく間に炎上状態になってしまう。会社にも知れ渡り、警察に追われる立場になってしまう。

警察に行こうとも思うが、二人目の被害者が出てしまう。

会社に一つの手紙が自分宛てに送られてきていた。

『山縣泰介さま

事態はあなたが想像してる以上に逼迫しています。

誰も信用してはいけない。誰もあなたの味方ではない。

唯一助かる可能性があるとすれば、選ぶべき道は一つだけ。

逃げる、逃げ続ける。それだけです。

わたしはあなたに逃げ切って欲しい。

どうしても辛くなったら「36.361947.140.465187」
セザキハルヤ』

本文より

逃げるしかなくなります。

彼は逃げ続ける中で、自分の今までしてきたこと、会社で部下やいろいろな人に、家族に対してしてきたことなどを思い起こさせられていきます。

その中で、追い込まれていき最終的に真相に近づいていきます。

はたして、誰がなんのために、山縣泰介を殺人犯に仕立て上げたのか?

感想

いや〜正直、誰が犯人か分からなかったです。こいつが犯人か、と著者の思惑通りに推理させられていたように思います。

最後まで何がなんだか分からず、読み終わってからも「えー、どういうこと?ファンタジー?」と思ってしまいました。

しかし、ファンタジーではなく、とても良く出来たミステリーでした。何でしょうか、もう一度読み直したいと思える小説です。

山縣泰介が可哀想でもありますが、事件の根幹には関わっている?のでしょうがないかなとも思います。

何よりもTwitterでハメられていくというのが、本当にありそうで怖かったです。

だって、匿名で出来ますし、誰かになりすまそうとすれば出来なくはない…。怖いですね〜。

面白いのは、考え方によっては主人公は、4人いると思えるところです。

一人目は住吉初羽馬でTwitterをリツイートして拡散してしまいます。そして、サクラんぼさん?と事件のことを調べていきます。

二人目は主人公・山縣泰介です。とにかく逃げ続けます。

三人目は堀健比古です。山縣妻の実家に行き、相棒の六浦と事件の真相に迫っていきます。

でも、六浦は山縣泰介ではない犯人がいる可能性について助言するが、堀は山縣泰介が犯人だと決めつけていました。

四人目は泰介の娘・夏実です。何か事件と関わっているように思えます。

夏実と行動をともにする、えばたんこと「江波戸琢哉」も何かしら関わっていきます。

あと、「からにえなくさ」とは、何なのか?いろいろ考察されますが。

本を買ってから、二日ほどで全部一気に読み終わってしましました。とにかく、面白い、最上のミステリーでした!

まとめ

余談的ではありますが、僕が今49歳で主人公の山縣泰介が50代で、誕生日が「0701」7月1日で、僕も7月1日誕生日なのでとても親近感が湧き、読むスピードも早くなりました!

自分も気づかない間に人を傷つけたりしてないか、気をつけようと思いました。

誰にでも起こり得る話しですね。怖いですね。

最後まで犯人が分からず、動機も分からず、そして読み終わってからそういうことか!騙されてた!って思い、もう一度読みたいと思える素晴らしいミステリー小説でした。あなたも騙されるでしょう!

推理好きな人、騙されてびっくりしたい人、ミステリー好きな皆さん、超オススメです!

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