こんにちは、ただほんです。
今日、ご紹介するのは、天久鷹央の推理カルテ第三弾です!「密室のパラノイア」です。
密室のパラノイア
登場人物
- 天久鷹央(あめくたかお)…アスペルガー症候群の天才女医。歯に衣着せぬ言葉を言う人。見た目子供の27歳。
- 小鳥遊優(たかなしゆう)…純正医大から出向してきている元外科医の内科医。鷹央にイジられまくっているが、信頼している。
- 鴻ノ池舞(こうのいけまい)…研修医。鷹央と仲良くなり、二人で小鳥遊優をイジっている。
- 桜井刑事…「スフィアの死天使」のときに知り合った刑事。
- 島崎刑事…桜井と組んでいる若手の刑事。鷹央たちを胡散臭く思っている。
あらすじ
密室殺人。
犯人は、病気(あいつ)だ。
呪いの動画によって自殺を図った女子高生。男性に触れられた瞬間、肌に異常をきたす女性。そして、密室で溺死した病院理事長の息子……。
常識的な診断や操作では決して真相にたどり着けない不可解な事件。解決できるのは、怜悧な頭脳と厖大な知識を持つ変人女医·天久鷹央、ただ一人。日常に潜む驚くべき“病”と事件の繋がりを解明する、新感覚メディカル·ミステリー第3弾。
本書裏より
細かいあらすじ
Karte01 閃光の中へ
呪いの動画を見た双子の妹、木村真冬が線路に飛び込み、救急搬送されてくる。
自殺未遂とのことで扱われるが、本人、姉の真夏は違うと言う。
なぜ、真冬は線路に飛び込んだのか?
精神科閉鎖病棟に小鳥と鷹央が忍込み、調べ始める。
精神科診療部長の墨田淳子は、鷹央が研修医時代の指導医で、その時、いろいろあり、「二度と精神科病棟に来るな!」と言われていた。
さて、なぜ、呪いの動画を見た少女は、線路に飛び込んだのか?
医学的な解き明かしが面白いです。
人間の体は、いろいろなものに反応し、病気を、いろいろな形で見せてくるのですね。
それは、呪いにも見えるし、よくよく見ると、病気であったりします。
面白いですね。
Karte2 拒絶する肌
男性恐怖症?の患者、岡崎雅恵が精神科を受診してくる。精神科部長の墨田淳子は一年目の男性研修医に岡崎雅恵と握手させる。
すると、その握手した雅恵の掌が真っ赤になり、腫れ上がっていく。
墨田は、天敵の天久鷹央を診断依頼を出す。
「依頼があったから来てやったぞ。感謝しろ」
鷹央は墨田を挑発する。
墨田とのやり取り、小鳥と鷹央、鴻ノ池舞、それぞれのやり取りが、コントみたいですね。
結論は、そりゃアレルギーですよね。
鷹央の良いところは、診断をバシッと言うところと、その解決策をちゃんと用意してあるところです。
Karte3 密室で溺れる男
今回、この話がメインです!冒頭のプロローグの話につながる謎です。
天久鷹央の部下で助手の小鳥遊優が、天医会総合病院を辞めなければいけなくなってしまいます。
送り出している純正医大総合病院から戻るように連絡があり、なぜ急にそんな連絡が来たのか、調べると…。
小鳥より7歳年上の総合診療科の桑田清司が、あるトラブルに巻き込まれて、急に勤務できなくなったと言うのです。
そのトラブルとは、桑田清司の兄、桑田大樹が父親の書斎で、それも密室で死んでいます。
その部屋の鍵は、父親桑田隆一郎と桑田清司しか持っていません。
大樹は、まるで溺死したように、口から水を吹き出しています。肺も水浸しです。
父親は、その時パーティで大勢と一緒にいました。
清司は、その少し前に兄に怪我を負わされ、病院に行くと出ていきましたが、病院には行かず、車の中にいたと言います。
警察は、桑田清司を疑い、逮捕しようとします。
もし、逮捕されれば、病院を辞めなければいけなく、小鳥も純正医大に戻らなければいけない…。
なんとか、謎を解いて、桑田清司の無実を証明しなければいけない。
なぜ、大樹は密室で溺れていたのか?
天久鷹央は、その天才的な頭脳を働かせて、謎を解いていきます。
後半になってくると、小説を読む手が止まりません!
天才·天久鷹央が行き詰まったときに、ワトソン·小鳥遊優が一言、言います。
「殴られたことに腹を立てて撲殺したとかなら、まだあり得るかもしれないが、溺れさせただけだろ。私はなにかを見落としているはずなんだ」
「え?殴られたって誰がですか?」僕は首をひねる。
「誰がって、桑田清司に決まっているだろ」
鷹央は大きな目で、ぱちぱちとまばたきを繰り返した。
「いえいえ、桑田先輩はお兄さんに殴られてなんていませんよ」
本書より
ワトソンの一言により事件の謎は解けていきます。なぜ、大樹は溺れるような形で死んでしまったのか?殴られてなかったというのがヒントでした。
天才にも必ず助手が必要ですね。
シャーロック・ホームズにワトソン。
御手洗潔に石岡君。
そして、天久鷹央に小鳥遊優!
なかなか、面白かったです!
このシリーズまだまだありますから、読み応えありますね。
軽くて(内容的に重くなく)、読みやすくて、登場人物は個性的なキャラクターで、医療ミステリーとして最高のシリーズです。
コメント