特殊設定ミステリ。　巨人によるクローズドサークル。『兇人邸の殺人』

　『兇人邸の殺人』を読んでみた！

　はじめに

今村昌弘さんの「屍人荘の殺人（しじんそうのさつじん）」の第三弾『兇人邸の殺人（きょうじんていのさつじん）』を読みました。

第三弾ということで、楽しみにはしていたのですが、

前作の『魔眼の匣の殺人（まがんのはこのさつじん）』のときにもそうだったんてすが、やっぱり第一弾の『屍人荘の殺人』のインパクトが強すぎて、物足りなさを感じてしまいました。

さすがにゾンビにまさる題材はないのかな…。

ただシリーズ物なので、また次も読むと思います。

第一弾はゾンビ、第二弾は予言、第三弾は巨人と来ましたが、次は何になるんでしょうか？

個人的には、その特別要素とクローズドサークルのうまいミックスが面白いですね。

剣崎比留子と葉村譲のホームズ？とワトソン？のコンビ、これからもっと面白くなるでしょう。

生きるために推理する、ホームズになり切れない比留子と、ワトソンになり切れない葉村。

二人のコンビのこれからも期待しています。

先に内容を見ていきましょう！

　あらすじ

“廃墟テーマパーク”にそびえる「兇人邸」。班目機関の研究資料を探し求めるグループとともに、深夜その奇怪な屋敷に侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは、無慈悲な首斬り殺人鬼だった。逃げ惑う狂乱の一夜が明け、同行者が次々と首のない死体となって発見されるなか、比留子が行方不明に。さまざまな思惑を抱えた生存者たちは、この迷路のような屋敷から脱出の道を選べない。さらに、別の殺人者がいる可能性が浮上し……。葉村は比留子を見つけ出し、ともに謎を解いて生き延びることができるのか?!『屍人荘の殺人』の衝撃を凌駕するシリーズ第三弾。

本書表紙裏より

班目機関を調べているグループとともに、葉村と比留子は、夜間の廃墟遊園地にやって来る。

そこにある屋敷には首を斬る巨人殺人鬼がいる。その屋敷に葉村たちグループは閉じ込められてしまう。

そして、一人、また一人と仲間が殺され首を斬られてしまう。おまけに「首斬り巨人」と別に「殺人者」がいることが分かってくる。

葉村と比留子は、殺人者を見つけ、そして屋敷から逃げることができるのか？

　登場人物

　ただほんの書評！気になるポイント

①第一弾は「ゾンビ」、第二弾は「予言」、そして第三弾は「首斬り巨人」！次は何？

気になるのは、やはり「ゾンビ」以上にインパクトのある物はないように思いますが、次に何を持ってくるのか、です。

よく、こんなに考えられるなぁ、と思いました。やはり個人的には、「ゾンビ」が一番でした。

②過去の話から、「生き残り」は誰なのか？

犯人が誰なのか、と「生き残り」が誰なのか、この2つが解決に関わってきますね。

③個人的にはそこまで入り込めなかったです。

屋敷の図とかもあるのですが、あまり見ながら読んだりしないので、頭の中に？とある事が多かったです。

特に、剣崎比留子が動けなくなってからは、言葉だけで動きがなくて、整理できずに読んでしまいました。

二人とも受身的で、後ろ向きで、もっと前向きな二人が見たかったです。そうですね、言ってみれば、後ろ向きなホームズとワトソンです。

最後に、事件が解決して、少し前向きな明るい感じが出てよかったです。

④最後の最後に、ある人物が出てきます。それも見ものですね。（明智さんではありません。）

明智さんが個人的にイチオシの登場人物です！『屍人荘の殺人』で死んでしまいますが…。

とにかくシリーズ物はやめられません！　第四弾もとても期待しています！