こんにちは、ただほん です。小説はほんとに面白いですね。
はじめに
中学生の娘が、「神様のカルテって読んでいいかな?」と言ってきた。「いいよ、いいよ。」と言いながらもほんとに中学生でも読めるのかなって思ってしまいました。
実際、娘はいろいろと小説を読んでいる。ただ、ラノベが多いので、「神様のカルテ」は読めるのか!?
そんなところを考えて、今回のテーマは「中学生に『神様のカルテ』をおすすめする理由!」です!
「神様のカルテ」の魅力を中学生にも分かるようにお伝えしていきます!
「神様のカルテ」の魅力について
「神様のカルテ」とは
2009年に出版された夏川草介さんによる小説。著者自身が現役の医師であり、とてもリアリティーのある小説である。
「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医が主人公・栗原一止(くりはらいちと)。
病院内で起きる医者と患者の心温まる話や、寝る間もない医師の働きの辛さしんどさ、そして、家族や友人、主人公・栗原一止が住んでいる「御嶽荘(おんたけそう)」での人間模様がとても癒されます。
栗原一止が患者や家族、友人などを通して、日々成長していく模様が描かれています。
「神様のカルテ」は、「神様のカルテ」、「神様のカルテ2」「神様のカルテ3」「神様のカルテ0」「新章 神様のカルテ」が出版されています。
それぞれ、映画化されたり、ドラマ化されたりしています。
①文章のきれいさ
他のどの小説に比べても、文章がとてもきれいです。日本語のきれいさに引き込まれていきます。
まず第一に中学生にすすめたいのは、この文章のきれいさです。心が癒(い)やされる文章になっています。
読めば読むほど、飽きることなく読むことが出来ます。
いっぺんに小説を一気に読むことは出来ませんが、ゆっくり噛み締めながら読みたくなる小説です。
あまりそんなにきれいな小説は見たことがありません。文章のきれいさ、おすすめです!
②キャラクターの面白さ
まず、主人公・栗原一止です。29歳の内科医でありながら、そのキャラクターが面白い!しゃべり方が古風で変です。
小説の書き出しが、
なんたる失態だ……私は慨嘆(がいたん)した。釈明の余地のない失態なのである。
私の話しぶりがいささか古風であることはご容赦願いたい。これは敬愛する漱石先生の影響である。学童期から『草枕』を愛読し、全文ことごとく暗唱(あんしょう)するほど反読していると、こういうことになる。
「神様のカルテ」本文より
心の中だけでなく、普通の会話でも古風な話し方をします。
とにかく、夏目漱石が大好きで影響されすぎな主人公です。
それは、著者の夏川草介さん自身が夏目漱石が好きで、リスペクトされているのでしょう。
なんせ、夏川草介という名前からしてもじっていますから。
ただ古風だけでなく、普段はちょっと環境に悲観しているようなブツブツ言っているような感じで、
疲れていて、それでも患者のために心も体も使っていて、みなに信頼されている医師です。
そして言葉だけでなく、時には突拍子もないすごいことをしたり、言ったりします。
それは患者のためであったり、仲間のためであったり、決して自分のためではありません。
その姿が素晴らしいんです。
時には、親友の進藤辰也の頭にコーヒーをかけて説教したり、病院の事務長に対して啖呵(たんか)を切ったり、
「医師の話ではない。人間の話をしているのだ。」大声が響き渡った。
「我々は人間です。その人間が死んでいくのが病院という場所です。いやしくも一個の人間が生死について語ろうとするならば、手帳も算盤(そろばん)も肩書も投げ捨てて、身一つで言葉を発するべきではありませんか」
「神様のカルテ2」本文より
そういった姿がかっこいいんです。
③他のキャラクター
病院の親友、友人たちー学生時代からの親友・血液内科の進藤辰也は、東京から出戻りするが、
はじめは娘のために仕事に冷たい態度をしているが、一止にコーヒーを頭にかけられ、だんだんといい人に戻っていきます。
同じく学生時代からの友人・外科医の砂山次郎は、大柄で大声で雑な感じですが、一止は言葉にはしないが実は信頼しています。
看護師の東西直美は、病院内の一止の一番の理解者です。
そして、御嶽荘(おんたけそう)の皆々様。
まず、主人公の一止の奥様、ハル。とても可愛くやさしいが、真は強い女性です。いつも心温まる瞬間です。
絵描きの男爵。普段どうしているのか謎の人物。いい味出しています。
学士殿。信濃大学の学生(?)であり、とても学識のある人物です。
脇を固める人物も一癖も二癖もある人達でした。
その登場人物一人一人が、物語を紡(つむ)いでいき、一つの素晴らしいい物語が出来上がっていきます。
なぜ中学生に勧めたいのか
中学生の娘が「神様のカルテ」を読みたいと言ってくれたことは実に嬉しかったです。
なぜかと言うと、少し見てみて「夏目漱石好きの主人公なんでしょう?」と言い、
「面白そう!」と言ってくれたので、自分が気に入っている小説だったので、正直に嬉しかったのです。
では、中学生に勧めたい理由ですが、
- 若いときからきれいな文章に触れて感性を磨いてほしいから
- 主人公のキャラクターが変で、それでいて温かいので面白いから
- いろいろなキャラクターにより、人間模様を学べるから
- 文章を通して、癒される経験(いやされるけいけん)をしてほしいから
まとめ
中学生にもぜひ読んでみて欲しいですが、まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。
文章の温かさに癒されること間違いないですよ。
栗原一止の言葉を通して、あなたも温かい気持ちになることでしょう。
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