こんにちは、ただほんです。
最近、天久鷹央の新しい小説が出ましたね。まだまだ、シリーズ読み終わってませんが、楽しみです!
天久鷹央のシリーズとは
知念実希人先生による医療推理ミステリー。「天久鷹央の推理カルテ」第一弾はこちら!
病院内外で起こる難事件を女医の天久鷹央と、助手?の小鳥こと小鳥遊優(たかなしゆう)が解決していく。
天久鷹央は、医者ではあるが、手先が不器用だし、治療はほとんどしない。ただ診断能力はずば抜けてすごい!
そして、天久鷹央はアスペルガー症候群で人の気持ちが分からないし、言葉の奥の意味も汲んでくれない。
年上の人に向かっても「おい、お前」と言うし、敬語も使うことができない。
中身はおっさん医師みたいですね。
そんな天久鷹央が毎回とても奇妙な難事件を解決していきます!
ストーリーあらすじ
Karte01.雑踏の腐敗
渋谷の人混みの中に出ると手が腐っていくという青年・宮城辰馬(みやぎたつま)が現れる。
何度も渋谷のセンター街を通って、駅の方へ行くと、手の先からドス黒くなりどんどん腐っていくという。
パニックになり、家に急いで帰ると、症状が消え、普通に戻る。
病院に行き、検査をするが、何も分からず、そして、最後に統括診断部に送られてきた。
天久鷹央(あめくたかお)と小鳥遊優(たかなしゆう)はこの病気の謎を突き止め、助けることができるのだろうか?
ついでに鷹央も、渋谷のスクランブル交差点の人混みはヤバいらしい。
なかなか結末は面白いですね。
Karte02.永遠に美しく
72歳の南原松子(なんばらまつこ)は、5年前に夫に先立たれている。年老いて枯れ木のようだと感じていたが、半年前のある出会いによって変わっていった。
今は、どう見ても50歳前後に見える。肌も艶が戻り、若々しくなった。
天医会総合病院の統括診断部に、娘の島崎美奈子(しまざきみなこ)がやって来て言う。
「母に恋人ができたんです」
その恋人がやっている鍼灸院で「若返り治療」というものを受けたらしい。
どう見ても50代。
なぜ、70代が50代に若返ったのか?
その恋人の男のやっていた犯罪は何か?
それらを天久鷹央は解き明かすことができるのか。
Karte03.聖者の刻印
この話がメインの話です。白血病の9歳の少女・羽村里奈(はむらりな)を助ける話です。
骨髄移植しか生きる道がない少女のお母さんは、ある予言者にのめり込み、「骨髄移植を受けなくても、娘は完治する」と言われ、それを信じる。
そして、どんなに説得しても骨髄移植を受けよさせようとしない。
その予言者は、血の涙を流し、手には十字架の跡・聖痕(せいこん)が現れる。
9歳の少女を救うには、この予言者のトリックを破らなければならない!
天久鷹央は、このトリックを解き明かすことが出来るだろうか?
ただほんの書評!
天久鷹央によって信仰とは何か、いろいろ考えさせられますね。
「もしかして、お前、『信仰』に迷っているんじゃないか?」
「だって、揺るがない信仰があるなら、奇蹟なんていう分かりやすいパフォーマンスなんて必要ないだろう。信仰に綻びがあるからこそ、奇蹟を見ることで神の存在を確認しようとしているんじゃないか」
本文より
神父の森下に鷹央は言いました。
信仰とは何か。
それは、目に見えるものではない何かを信じることであり、目に見えるものに頼ってしまうとその信仰は本物ではないのです。
聖書のいう「神」は目で見えない神です。
「信仰は、望んでいることを保証し、目に見えないものを確信させるものです。」ヘブルの手紙11章1節
「信仰がなければ、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられることと、神がご自分を求める者には報いてくださる方であることを、信じなければならないのです。」ヘブルの手紙11章6節
その目で見えない神を、心で信じるなら救われるのです。
「なぜなら、もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神はイエスを死者の中からよみがえらせたと信じるなら、あなたは救われるからです。人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われるのです。」ローマ人の手紙10章9,10節
予言や奇蹟に頼ってしまうと、その信仰の本質を見失ってしまいます。
もちろん、預言や奇跡は本当にあると信じてますが、それに頼りすがってしまうと本当の信仰からずれてしまいます。
天久鷹央は、その偽予言者よりも、神父よりも、信仰者のように見えますね。
最後は面白いぐらいトリックを解き明かして、偽予言者を追い込んでいきます。
天久鷹央の物語は、まだまだ続き、私達を楽しませてくれますね。